
About
東京科学大学 情報理工学院 情報工学系 修士課程2年の増田 元希です。大上研究室に 所属し、バイオインフォマティクスと機械学習の境界で、抗体の配列データを扱う研究をしています。
主なテーマは、B細胞受容体(BCR)レパトアから抗原特異的な抗体配列を同定することです。 抗体言語モデルを用いた参照配列不要の枠組み LM-QASAS を提案し、SARS-CoV-2 mRNAワクチン 接種者において、既知の抗体データベースを参照せずにスパイク関連の配列を濃縮できることを 示しました。近年は、抗原を 条件として抗体配列そのものを生成するモデルにも取り組んでいます。
研究に関するご連絡は下の連絡先までお願いします。
研究テーマ
抗原プロンプトによる抗体配列生成と免疫応答の評価
抗原を「プロンプト」として抗体言語モデルに配列を生成させ、生成配列を用いて抗原特異的な免疫応答を評価する取り組みです。
抗体言語モデルは、既存の配列を同定するだけでなく、新しい配列を生成することもできます。抗原の情報を プロンプトとして与えて配列を生成し、それが狙った抗原への応答をどれだけ反映しているかを評価する 取り組みを進めています。抗体設計や免疫応答の解析につなげることが狙いです。
情報処理学会バイオ情報学研究会(SIGBIO)で、抗原プロンプトに基づく生成配列を用いた免疫応答の評価 (第84回, 2026年3月)と、抗原特異性を獲得する配列条件付き抗体生成モデルの開発(第85回, 2026年7月)を 口頭発表しました。
- Antibody Design
- Sequence Generation
- Language Model
BCRレパトアからの抗原特異的配列の同定 — LM-QASAS
B細胞受容体(BCR)レパトアから、既知の抗体データベースに頼らずに抗原特異的な配列を同定する枠組み LM-QASAS を開発しています。
BCRレパトアには、その人が経てきた免疫イベントが記録されています。ただ、そこから抗原特異的な 配列を見つける従来の手法は既知の抗体データベースを参照する必要があり、参照先の無い新興感染症には 使えないという制約がありました。
抗体言語モデル(AbLang2)が作る意味空間の中で、免疫刺激のあとに局所的なクローン密度が一過性に 高くなる配列クラスタを探すことで、参照配列なしに抗原応答の候補を抽出する枠組み LM-QASAS を 提案しています。SARS-CoV-2 mRNAワクチン接種者では、既知の中和抗体データベース(CoV-AbDab)と 重なる配列をランダム対照より大きく濃縮でき、抽出した配列を疑似的な参照データベースとして使うことで、 外部データベース無しに免疫応答の推移を追跡できました。一方インフルエンザワクチンのコホートでは 感度が限定的で、この手法が mRNAワクチンのように強く同期したクローン増殖が起きる条件で最も 有効であることが分かっています。
- BCR Repertoire
- Antibody Language Model
- Reference-free
業績一覧
学術論文(査読あり)
- 2026
LM-QASAS: Reference-free identification of antigen-specific sequences from the BCR repertoire using antibody language models
Frontiers in Immunology(掲載決定)
国内会議・研究会
- 2026
抗原特異性を獲得する配列条件付き抗体生成モデルの開発
情報処理学会 第85回バイオ情報学研究会 (SIGBIO), 沖縄, 2026年7月(口頭発表)
- 2026
抗原プロンプトに基づく抗体言語モデル生成配列を用いた抗原特異的免疫応答の評価
情報処理学会 第84回バイオ情報学研究会 (SIGBIO), 石川, 2026年3月(口頭発表)
- 2025
機械学習によるBCRレパトア由来の抗原特異的抗体配列の推定
Tokyo Bioinformatics Meeting 第9回研究会, 2025年11月(ポスター発表)
- 2025
Computational Identification of Antigen-Specific Sequences from BCR Repertoires Using an Antibody Language Model
CBI学会2025年大会, 2025年10月(ポスター発表)
- 2025
機械学習によるBCRレパトア由来の抗原特異的抗体配列の推定
第17回生命情報科学若手の会 年会, 兵庫, 2025年9月(ポスター発表)
経歴
学歴
- 2025年4月 - 現在
東京科学大学 情報理工学院 情報工学系 修士課程(工学)
大上研究室
- 2021年4月 - 2025年3月
東京工業大学(現・東京科学大学)情報理工学院 情報工学系 学士(工学)
経歴・活動
- 2026年 - 現在
ティーチングアシスタント(TA)東京科学大学 情報理工学院 情報工学系
手続き型プログラミング基礎・手続き型プログラミング発展
- 2026年 - 現在
生命情報科学若手の会 第18回年会 スタッフ
- 2025年9月
富士フイルム株式会社 情報系開発型長期インターンシップ